肝臓移植

がん治療の1つに臓器移植があります。
進行性の肝臓がんへのがん治療の最終手段が肝臓移植です。
日本では、1997年に臓器移植法が施行されました。
1989年から血縁者や配偶者等が自分の肝臓の一部を提供する生体肝移植が行われており、臓器移植法が施行されてからも脳死肝移植の数は少なく、生体肝移植の数は増加しています。
生体肝移植は2004年から保険適用ができるようになりました。

日本では、次の症例の人が肝臓移植の対象となります。
・劇症肝炎
肝細胞が壊れ、その肝臓機能が急速に損なわれる病気です。
・先天性肝・胆道疾患
生まれつき、胆道が全部もしくは一部が閉鎖している先天性胆道閉鎖症や胆管が膨らんでいる先天性胆道拡張症などを指します。
・先天性代謝異常症
細胞の中の代謝が生まれつきうまくいかない病気です。
代謝異常のため、余計な物質がたまり、逆に不足して発育障害など様々な障害がでてきます。
・Budd-Chiari(バッド・キアリ)症候群
肝静脈や肝部下大静脈の閉塞で肝臓から出る血液の流れが悪くなって門脈(腹部臓器から血液を集め肝臓に運ぶ血管)の圧力が上昇する疾患です。
原発性胆汁性肝硬変症
肝臓の中の細い胆管が慢性炎症によって壊され、胆汁が流れにくくなり、肝臓内に胆汁が停滞して起こる病気です。
肝硬変と名がついた病気ですが、必ずしも肝硬変になるわけではありません。
原発性硬化性胆管炎
慢性炎症で太い胆管が細くなって、胆汁の流れが滞り、最終的には肝硬変や肝不全になってしまいます。
・肝硬変
慢性の肝障害が進行して、肝臓が硬くなり機能が低下する疾患。
・肝細胞がん