肝臓がんの治療

肝臓がんは肝臓から発生したがんである原発性肝がん、他臓器から肝臓に転移したがんである転移性肝がんの2つに大きく分けられます。
肝細胞がんと胆管細胞がんが、原発性肝がんの95%を占めます。
残りの5%には、肝細胞芽腫(小児の肝がん)、成人の肝細胞・胆管細胞混合がんなどがあります。
成人の肝臓がんの90%は肝細胞がんです。

肝臓がんの治療は、外科療法、穿刺療法、肝動脈塞栓術が中心です。
この他に、肝臓のがん治療には放射線療法や化学療法などがあります。

・外科療法
がんを含め肝臓の一部を切除する肝切除は、最も効果的ながん治療の1つです。
肝臓移植は、肝硬変などによって肝切除が困難な場合に行われます。
脳死肝移植はほとんど行われておらず、肝臓移植は生体肝移植が中心となっています。

・穿刺療法
経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法があります。
ラジオ波焼灼療法の方が少ない回数で優れた効果があるため、現在は穿刺療法においてラジオ波焼灼療法が主流です。
ラジオ波焼灼療法は、体外より特殊な針を肝臓がんに挿し込んで通電し、がんを焼灼する療法です。
がんの大きさが3cmより小さく、個数が3個以下のがんで行われます。

肝動脈塞栓術
肝動脈を詰まらせ、がんに酸素を供給する血流を遮断してがんを死滅させます。
カテーテルを足の付け根の動脈から肝動脈にいれ、腫瘍近くにカテーテルを挿入します。
そこから、動脈を塞いでしまう薬や、腫瘍を固める薬を挿入します。

このように、肝臓がんの治療では、がんの位置などによって様々な治療法が使われているのです。