乳がんの治療

乳がんの治療には、外科療法・放射線療法・薬物療法があります。
ここでは、そのがん治療の種類について説明しましょう。

外科療法では、以前のように乳房の大きな切除は少なくなっています。
手術では、患者の希望を前提にして、がんのある部分のみ取り除き、できるだけ乳房を温存する方法を検討します。
がんの広がりが大きい場合には温存するのは難しく乳房全体を切除することが多くなります。
日本乳がん学会の基準では、がんの大きさが3cm以内で、数が1つの場合には温存手術が適応となります。
しかし、必ずしも基準通りではなく、抗がん剤によりがんを小さくしてから温存手術をする方法をとることも多くなっています。

また、温存が困難な場合、乳房再建を行うことも増えています。
乳房再建は自分の背中やおなかの筋肉を用いる場合と、人工物を用いる場合があります。
乳頭も手術で作ることができます。

放射線療法は乳がんの場合、外科手術のあと、再発を防止するために放射線照射が行われる場合などに用いられます。

乳がんでの薬物療法は、大きく分けてホルモン療法、化学療法、新しい分子標的療法の3種類があります。
化学療法で用いられるのは、注射と内服薬です。
分子標的療法は、乳がんの増殖に関与していると考えられているHER2タンパクをねらい撃ちした治療法が最近開発されています。
この療法はHER2タンパクを多く持っている乳がんの治療を大きく変えると期待されています。

このように、乳がんには、様々ながん治療の方法があり、早期発見であればあるほど、再発や転移を防ぐことができるのです。