がん治療と医療費 ― 高額療養費

がん治療をする上で大きな問題になるのが医療費です。
がん治療は長期間に渡るので、医療費は家計を圧迫しかねません。
しかし、高額療養費や身体障害者の医療費負担枠、障害年金など上手に利用することで医療費の負担を抑えることができます。
医療費の減免が認められるのに、高額な医療費を負担し、それが重圧とならないよう、利用できるサービスがあるかどうかを調べることも大切です。
医療費負担を軽減することもまた、大切ながん治療となるのです。

高額療養費は、長期入院などでの高額な医療費負担を軽減させる目的で、その月の1ヶ月(その月の1日〓末日)の自己負担額が所定の金額を超えた場合に、超えた部分が返還される制度です。
ただし、保険の対象とならない食費や差額ベッド代などは対象とはなりません。

以下は70歳未満の被保険者・被扶養者の入院、もしくは入院と外来の合算での自己負担上限です。
上位所得者(標準報酬月額53万円以上)の自己負担上限額は、150,000円+(医療費の総額―500,000円)x1%です。
一般(標準報酬月額53万円未満)の自己負担上限額は、80,100円+(医療費の総額―267,000円)x1%となります。
低所所得者(市町村民税非課税など)は35,400円です。
入院が長期に渡るなど、その年の高額療養費支給が直近の12ヶ月で4回以上になる場合には、4回目から上位所得者は83,400円、一般は44,400円、低所得者24,600円です。

以前は、高額療養費制度を利用するには、申請後3ヵ月過ぎてから、上限額を越えた部分が返還されていました。
しかし、平成19年4月より、事前の手続きにより一医療機関ごとの窓口での支払を自己負担限度額までにとどめることができるようになっています。